【試算】金利が1%上がると不動産投資のキャッシュフローはいくら減るか
最終更新日: 2026年6月14日
本ガイドの数値は、当サイトの計算エンジンによるモデル試算です(前提条件は本文に明記)。実際の収支は物件・契約条件により異なります。投資判断は自己責任でお願いします。
変動金利でローンを組む不動産投資では、「金利が上がったら収支はどうなるのか」を事前に把握しておくことが極めて重要です。 日銀の金融政策の転換により、長く続いた超低金利環境は変化しつつあります。 本記事では、具体的なモデルケースを当ツールの計算エンジンで試算し、金利が1%、2%と上昇したときにキャッシュフローとDSCRがどれだけ悪化するかを数値で示します。
モデルケースの前提条件
- 物件価格:5,000万円
- 借入額:4,500万円(LTV90%)/元利均等・返済期間30年
- 月額家賃:25万円(表面利回り6.0%)
- 空室率:5%
- 年間運営経費:60万円(年間家賃の20%)
- NOI(営業純利益):225万円(金利に関わらず一定)
金利別 キャッシュフロー・DSCR試算結果
NOIは金利の影響を受けないため225万円で固定し、借入金利だけを1.0%から4.0%まで0.5%刻みで変化させた結果が以下です。
| 借入金利 | 月返済額 | 年間返済額(ADS) | 年間CF | DSCR |
|---|---|---|---|---|
| 1.0% | 14.47万円 | 173.7万円 | +51.3万円 | 1.30 |
| 1.5% | 15.53万円 | 186.4万円 | +38.6万円 | 1.21 |
| 2.0% | 16.63万円 | 199.6万円 | +25.4万円 | 1.13 |
| 2.5% | 17.78万円 | 213.4万円 | +11.6万円 | 1.05 |
| 3.0% | 18.97万円 | 227.7万円 | −2.7万円 | 0.99 |
| 3.5% | 20.21万円 | 242.5万円 | −17.5万円 | 0.93 |
| 4.0% | 21.48万円 | 257.8万円 | −32.8万円 | 0.87 |
出典:当サイト計算エンジンによる試算(元利均等返済・前提条件は上記)。
金利1%上昇で年間約26万円のキャッシュフロー減少
金利2.0%(CF+25.4万円)を起点にすると、金利が3.0%へ1ポイント上がるだけで年間CFは−2.7万円へと約28万円も悪化します。 さらに4.0%では年間−32.8万円の持ち出しとなり、毎月約2.7万円を自己資金から補填し続ける状態に陥ります。 借入額が大きいほど、わずかな金利変動が収支に与えるインパクトは増幅されます。
注目すべきはDSCRの推移です。 金利2.5%でDSCRは1.05まで低下し、融資審査の基準とされる1.2〜1.3を大きく下回ります。 つまり、購入時点でギリギリの収支だった物件は、金利上昇によって容易に「返済できない物件」へと変質するのです。
金利上昇に備えるストレステストの方法
重要なのは、購入を検討する段階で現在の金利ではなく、上昇後の金利でも収支が回るかを確認することです。具体的には次の手順が有効です。
- 現在提示されている金利に+1%、+2%を上乗せした条件でCF・DSCRを再計算する
- DSCRが1.2を下回る金利水準を把握し、そこまでの「のりしろ」を確認する
- 変動金利の場合、繰上返済による残債圧縮で金利上昇耐性を高める余地を検討する
- 固定金利との金利差と、上昇リスクを天秤にかける
DSCR計算ツールで借入金利を変えながら試算すれば、あなたの物件が何%の金利まで耐えられるかを数分で確認できます。 より詳細な感度分析は投資分析ツールでも行えます。
まとめ
- LTV90%・表面6%のモデルでは、金利1%上昇で年間CFが約26〜28万円悪化する
- 金利3%でキャッシュフローはマイナス(持ち出し)に転落する
- DSCRは金利2.5%で1.05まで低下し、安全圏を割り込む
- 購入前に「金利+1〜2%」のストレステストを必ず実施すべき
- 借入額が大きい(高LTV)ほど金利感応度は高くなる
実際の物件データで試してみましょう
自分の物件で金利上昇シナリオを試算する