【試算】頭金で利回りはどう変わる?自己資金別IRR比較
最終更新日: 2026年6月14日
本ガイドの数値は、当サイトの計算エンジンによるモデル試算です(前提条件は本文に明記)。実際の収支は物件・契約条件により異なります。投資判断は自己責任でお願いします。
「頭金は多く入れた方が安全」とよく言われます。確かに毎月のキャッシュフローは頭金が多いほど厚くなります。 ところが、投資効率を年率で測るIRR(内部収益率)で見ると、結論は逆転します。 本記事では、同じ物件を頭金0%・10%・20%・30%で購入した場合のIRRを当ツールで試算し、レバレッジ(借入)がリターンに与える本当の効果を明らかにします。
モデルケースの前提条件
- 物件価格:4,000万円/購入諸費用:280万円(7%)
- 月額家賃:20万円(表面利回り6.0%)/空室率5%/年間運営経費48万円
- NOI(営業純利益):180万円
- 借入条件:金利2.0%・元利均等・返済期間30年
- 保有10年後に4,000万円で売却(価格変動なし)/売却費用4%
- 自己資金=頭金+購入諸費用280万円
頭金別 IRR・CCR・キャッシュフロー試算結果
| 頭金 | 自己資金 | 年間CF | CCR | 10年後残債 | IRR |
|---|---|---|---|---|---|
| 0%(フルローン) | 280万円 | +2.6万円 | 0.9% | 2,923万円 | 13.2% |
| 10% | 680万円 | +20.3万円 | 3.0% | 2,630万円 | 8.3% |
| 20% | 1,080万円 | +38.1万円 | 3.5% | 2,338万円 | 6.4% |
| 30% | 1,480万円 | +55.8万円 | 3.8% | 2,046万円 | 5.4% |
出典:当サイト計算エンジンによる試算。CCR=年間CF÷自己資金。IRRはニュートン法で求解。
頭金が少ないほどIRRは高くなる — 正のレバレッジ効果
表を見ると、頭金0%のフルローンがIRR13.2%と最も高く、頭金を増やすほどIRRは低下しています。 一方で、毎月の手残り(年間CF)は頭金が多いほど大きくなります。一見矛盾するこの現象は、レバレッジ効果で説明できます。
このモデルではNOI利回り(180万円÷4,000万円=4.5%)が借入金利2.0%を上回っています。 借入コストより物件の収益力が高い「正のレバレッジ」が効いているため、 他人資本(借入)を多く使うほど、自分のお金(自己資金)あたりのリターン=IRRは高まるのです。
フルローンの落とし穴 — IRRが高い ≠ 安全
では頭金0%が最善かというと、そうではありません。フルローンには次のリスクが潜んでいます。
IRRはあくまで「投資効率」の指標であり、「安全性」は別物です。 高いIRRと十分なDSCR・キャッシュフローのバランスをとることが、実務上の最適解になります。
まとめ
- NOI利回り>借入金利の物件では、頭金が少ないほどIRRは高くなる(正のレバレッジ)
- このモデルではフルローンのIRR13.2%に対し、頭金30%では5.4%
- ただし頭金が少ないほど年間CFは薄く、DSCR・出口リスクは悪化
- IRRの高さ=安全性ではない。CF・DSCRと併せて総合判断を
- 自分の物件はIRR計算ツールとDSCR計算ツールの両方で検証する
実際の物件データで試してみましょう
自分の物件で頭金別のIRRを試算する